この俳優いいわ~ その2
アンディ・ガルシア
彼はハンサムであるだけに、内に秘めた暴力はセクシーさにも通じて粗削りな魅力になります。
そのうえ演技派になるためには欠かせない(とわたしは思っています)狂気を内在する役をやってみせたことが大きいでしょう。
エンジェル役は、コイツはひょっとして本当にオカシイのではないかと思わせるほどに、強力なインパクトを残しました。
その後『アンタッチャブル』(87)で俄然注目を浴びるガルシアですが、イギリスに亡命した中南米の大統領役で主演した『アメリカン・ルーレット非情の銃口』(88)はほとんどヒットしませんでした。
しかし『ブラック・レイン』『背徳の囁ぎインターナルアフェア』(89)など次々にヒット作に出演。
まずはスターの仲間入りを果たしました。
アドリブで健さんとデュエットしちゃう明るい役どころをこなすかと思えば、頭脳明晰な正義漢を演じるなど、演技の幅広さも披露。
個人的に言えば『背徳の囁き』の嫉妬に狂うただの男と化したガルシアのラテンぽい単純さ、熱さが好きですが。
やっぱり「浮気したら殺す」なんていうセリフがハマる男は憎めません。
ざっと作品を並べるだけでもわかるように、決して出演作が多いほうではありません。
必ずしも主役ではないというところからしても、彼がいかにこだわって出演しているかがわかります。
いいスタッフ、なによりも脚本にごだわることはつとに有名です。
そして、そのこだわりが『ゴッドファーザーPARTⅢ』へとつながって行きます。
何回ものオーディションをパスして手にした役とは思えないほど、『ゴッドファーザーPARTⅢ』のヴィンセントは、適役でしょう。
気の短いただのチンピラからドンへの野望を抱き、そして跡継ぎへと成長を遂げる役どころは、ガルシアのものでした。
作品自体、とくに恋愛部分は食い足りないところもありましたが、多彩な出演者、壮大なストーリーのなかでガルシアの可能性、スター性は際立って光っていたと言っていいでしょう。
激しい言葉と裏腹に深遠な光をたたえる目。
かと思えば、世の中楽しければいいさ、といわんばかりのいいかげんな伊達男っぽさ。
決してスマートでもエレガントでもないのに、シャープで、あくまでも熱っぽい。
ほんとにすてきな俳優です。